まずは、リッツで朝食を。
肉、魚、野菜、パン、ジュースと種類も豊富で、朝からスパークリングワインまで飲める、美味しい朝食です。 「1日分?」と思えるほど沢山の食事を摂り、スパークリングワインも2杯いただいたら、まずはブランデンブルグ門まで徒歩で出発です。 ティエルガルテン(代々木公園のような広い公園)を左に、ユダヤのホロコースト慰霊碑を右に見ながら、ホテルから10分足らずでブランデンブルグ門(Brandenburger Tor)へ。 ブランデンブルグ門は、パリで言えば凱旋門のような、ベルリン屈指の観光名所。 門と言っても結構巨大な建造物です。 東西ドイツ分裂時代にはここに壁ができていましたが、今では脇にドイツ連邦議会まで立っています。 ブランデンブルグ門を背にし、Uバーンという地下鉄に乗って博物館島へ。 博物館島とは、博物館が集中的に建つ中洲のような場所で、日本で言えばさながら「上野公園」みたいな感じの場所です。 駅を降り、ガイドブックでちょっと気になっていた有機野菜系のスーパー(Bio Market)を覗きつつ、 まずは旧ナショナルギャラリー(Alte Nationalgalerie)へ。 昨日の絵画館の続きで、17世紀から19世紀ぐらいまでの西洋絵画を集めた場所です。 作品は山ほどありますが、ここの私的な見所作家は、なんと言ってもフリードリヒ(Caspar David Friedrich)とベックリン(Arnold Bocklin)の、ドイツが産んだ大巨匠達です。 フリードリヒは1774年に生まれ、66歳でドレスデンにて生涯を終えます。 ロマン主義に属し、厳しい大自然の中で孤高に生きるを細密に描き上げることで人間や人生といった大きなテーマを象徴的に描く画家です。 フリードリヒの絵の前にいると、そこで絵を観る側の人生について深く思索させるものがあります。 次に、アーノルド・ベックリンは1827年にバーゼルで生まれ、74歳で生涯を終えます。 ベックリンが13歳のときにフリードリヒがドレスデンで亡くなった、という年齢関係です。 アーノルド・ベックリンを初めて知ったのは、大学4年の卒業旅行でのニューヨーク・メトロポリタン美術館。 モネ、ゴッホなど印象派の名画が立ち並ぶなか、ベックリンの「死の島(Tle isle of the dead)」が回廊にひっそりと飾られていました。 メトロポリタン美術館 の「死の島」はモノトーンで目立たない色彩ですが、テーマのあまりの強烈さに、絵の前で30分ほど立ち尽くしてしまい、死について考えさせられました。 それ以来、ニューヨークに寄るときは必ずメトロポリタン美術館 の「死の島」を眺めてきますし、ベックリンに興味をもちました。 そのフリードリヒとベックリンの作品が、旧ナショナルギャラリーには沢山あります。 じっくり鑑賞させていただきました。 旧ナショナルギャラリーの次は、隣接する新博物館(Neues Museum)へ。 新博物館といえば、なんと言ってもネフェルティティ(Nrefertiti)の胸像です。 ネフェルティティは、古代エジプトのアメンホテップ王の妻。 美しいだけではなく、夫の片腕として実際に政権も握っていた女帝です。 その「女王の鑑」といえるネフェルティティの胸像が良好な状態で保存されており、古代エジプト文明のマニアならずとも「知らない人は居ない」といえるような見所です。 ここは撮影禁止なので、リンクでご鑑賞下さい。 http://matome.naver.jp/odai/2133492031898168501 ネフェルティティの胸像を見た後は、Uバーンのハウスフォグタイプラッツ(Hausvogteiplatz)駅へ徒歩で。 途中、「銀行の建物をホテルに改築した」ホテルデローマ、カトリックの聖ヘドヴィヒ大聖堂を過ぎると、近衛騎兵広場(Gendarmenmarkt)へ。 南にドイツドーム、中央に劇場コンツェルトハウス、北にフランスドームがシンメトリック(左右対称)に建つ、観光名所ではないものの、広くて居心地のよいヨーロッパ的な広場。 こういう美しい広場に来ると、ヨーロッパへ来たことをあらためて実感します。 近衛騎兵広場のハウスフォグタイプラッツからUバーンに乗り、ポツダム広場のホテルでコーヒー休憩したあとに、徒歩で新ナショナル・ギャラリー(Neue Nationalgalerie)へ。 新ナショナル・ギャラリー、あいにく「戦争」をテーマにした企画展のみ行われていました。 聞き慣れない、見慣れないアートが並ぶなか、「ここに来て良かった」思える作品は、バーネット・ニューマン(Barnet Newman)の「赤、黄、青の4番を恐れている人は誰?(Who's afraid of red, yellow and blue 4?)」と、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の「カムフラージュ(Camouflage)」。 バーネット・ニューマンは、こないだ訪れた佐倉の川村記念美術館から「アンナの光」がなくなってしまい残念なかぎりですが、「アンナの光」も「赤、黄、青の4番を恐れている人は誰?」も、絵から8メートルぐらい下がって長い時間眺めていると、その世界に没入し浸れる、素晴らしい絵です。 「アンナの光」は100億円を超えたみたいですが、この「赤、黄、青の4番を恐れている人は誰?」もそれに劣らず名作です。 一緒に記念撮影をパチリ。 アンディ・ウォーホルのカムフラージュも、よく観るとウォーホルらしい連作ですが、油絵ですので絵の質感がスクリーントーンとは異なり重厚で、見応えがあります。 東京でもアンディ・ウォーホル展が開かれているようですが、こういう質感の高い作品は来ているのでしょうか。 新ナショナル・ギャラリーのあとは、二階建てバスに乗ってデパートのカーデーヴェー(Ka De We)へ。 1階が化粧品売り場なのは日本のデパートと同じですが、違うのは食品が地下ではなく最上階にあること。 「デパチカ」ならぬ「デパウエ」でしょうか。 お土産をちょっと買い、イートインで食べようとするも、ラストオーダーが終わったとのこと。 Uバーンでポツダム広場へ戻り、フードコートでハンバーガーを食し、スーパーで水やビール、棒アイスを買い、リッツに戻って早速棒アイスを食した、22日の土曜日でした。 (続く)
by zouchan6
| 2014-03-23 14:34
| 美術鑑賞 art watching
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||